今回は、静岡県にあるヤマハ発動機の磐田工場で働いていたnaritaさん(仮名)に期間工体験談を伺いました。
配属工場は静岡県磐田市の磐田南工場でした。
他社メーカーに派遣として勤務していたが、同僚がヤマハ発動機の期間工に転職した際に待遇を聞き、それに魅力を感じて期間工となりました。
ヤマハ発動機傘下の派遣会社が面接を担当していたため、磐田市の派遣会社事務所で面接を行いました。
3人同時の集団面接で、まず志望動機を聞かれましたが、過去にヤマハ製のバイクに乗っていたため、
「自分が乗って好きになったバイクを作ってみたい」と答えました。
他には今までの経歴、所有資格、持病はないか、など簡単な質問ばかりでした。
期間工とは言え直雇用なので、スーツを着て小ぎれいにして行きましたが、周りは普段着の志望者も半数近く見られました。
面接官は2人が傘下派遣会社のスタッフ、もう一人は本社人事部の課長の計3人でしたが、
いずれも気さくで、リラックスして面接を受けることができました。
私が勤務していたラインでは、輸出用バギーのエンジンを作っていました。
完成したエンジンを輸出して、海外のヤマハ工場で完成させると聞いた。
生産数の関係で、8:00~16:45の日勤のみでした。
私のラインはほとんど残業はなかったが、同工場内のどこかのラインで残業があり人手が足りなければ、希望すれば残業できました。
その場合には、ほとんどの場合が初見で出来る簡単な作業となっていました。
逆に言えば、自分のラインで残業があっても、私用で帰宅する事が当然のような雰囲気があって、
ワークライフバランスに対して一定の理解がありました。
ただし、本社工場に勤務していた同僚によれば、オートバイ等主力商品を生産しているラインでは、
毎日限界の2時間まできっちり残業している職場もあるそうなので、残業時間に関しては、他社同様、「職場による」といえます。
また、面白い風習として、「給与・ボーナス支給日は定時帰宅」というルールがあり、
生産がおくれていても、よっぽどの事がない限り定時帰宅となる。
給与は、1年目は日給で9500円。2年目、3年目と、1年ごとに日給が200円ずつアップします。
一年目、稼働20日で、手取りは18万円ほど。
契約更新は半年ごとで、過去半年の勤務日数×1500円が支給されるが、
これは契約更新しなかった場合に支払われるため、退職金の役目を果たしている。
他に皆勤手当て月5000円、正社員のボーナス支給日に約5万円の手当てがある。
ヤマハ発動機豊島寮です。
寮は、会社が買い上げた古めのアパート。
二階建てで各階10部屋が2棟で、2棟の間にプレハブの食堂がありました。
寮費は光熱費込みで月5000円。
内装はワンルームで、簡単な流しと電熱ヒーターの着いた小さなキッチンと、トイレ風呂が一緒になったユニットバス。
食事は無料で、専門の委託業者が入っているので、美味しいです。
ご飯は盛り放題でした。
ただし、土日祝、他工場稼働日しか食事の提供がないため、休日は自分でなんとかしなければならなかったです。
一番つらかったのは、やはり社会的信用が低いことでした。
将来の予定が組みずらいため、ひたすら貯金するしかなかったです。
その割に、期間工にしては待遇も社内での扱いもいいため、
ずるずると居座ってしまうひとが多く見受けられました。
とにかくお金が貯まることです。
前述したように、月々の固定費がかなり優遇されているため、貯金に回せる額が大きいです。
食事も美味しく、正社員としてのプレッシャーもないため、
なにか目標があってお金を貯めたい、という人ならば、少ないストレスでまとまったお金を手にすることができます。
ヤマハ発動機は、基本的にもともと充分な人員プラスアルファを職場に配置する方針だそうで、
多少の突発休暇者が出たところで充分に対応が可能であり、ラインの工程割も、楽ではないが無茶な編成はしていませんでした。
そのためか、正規社員、期間工、派遣社員が入り乱れた職場であったが、全体的な人間関係は良好な印象を受けました。
管理者、監督者も、温厚な方が多かったです。
「お金を貯める」という明確な目的があったので、休日は基本的に寮に引きこもって映画をみたり、ゲームをして過ごしていました。
寮近郊にパチンコ店が数件あったため、そこで散財している人も多く見受けられました。
また、寮から徒歩10分で磐田駅、そこからJRで15分で浜松市に行けるため、買い物したり、居酒屋などに行く機会も十分にありました。
最初に伝えたいのは、とにかく絶対に「期間限定」で臨むことです。
一時的に考えれば待遇はとても良いと思うが、どこのメーカーでも、正社員登用は期待しないほうがいいと思います。
どれだけ頑張っても、ライン工は替えの利く人材、というのが企業の考え方だと思います。
ここで情熱を燃やすくらいなら、もっと別の事に労力を割いたほうがいいです。
逆に、「お金を貯めたい」「一時しのぎとして」など、明確に期限をくぎってなにかを達成するならば、
期間工ほどの好条件の非正規従業員というのはなかなかないと思うので、
「明確な目的」だけは志望する時点から持っておくことをおすすめします。
当ブログでは実際に働いた期間工の方の体験談を多数掲載しています。
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